〜項目別の解説〜@めっきを表す記号
『めっきの種類を表す記号』とは、電気めっき又は無電解めっきを表す記号を意味します。
A素地の種類を表す記号
なお、素地について材質、熱処理及び加工条件を示す必要がある場合には、素地記号に*1印を付け、注として各材料についての日本工業規格に定められた材質記号、及びJIS B 0122(加工方法記号)に定められた加工記号及び条件を付記してください。 例1)Cu*1/Ni 5b, Cr 0.1r/ 注*1 めっきに先立ち素地黄銅にヘヤライン加工を施すこと。 (ヘヤライン加工した黄銅素地、光沢ニッケルめっき5μm以上、普通クロムめっき0.1μm以上)
例2)Fe*1/Au 2μm/
例3)PL*1/Cu 10 b, Ni 15 d,Cr 0.1 mp/ Bめっきの種類を表す記号
多層めっきの場合には、素地に近いめっきの構成の順に、左から右へコンマ(,)を付けて順に表示します〔例1)参照〕。 合金めっきの場合には、合金を構成している主な元素の元素記号をハイフン(-)で結びます〔例2)参照〕。 なお特に主要な合金元素の組成を示す場合には、その質量パーセントの数値を、元素記号の次に( )を付けて示すことが出来ます〔例3)参照〕。 また、工業用クロムめっき、工業用金めっき、装飾用金めっきなどについては、それぞれの日本工業規格で定められた記号(工業用クロムめっき…I、工業用金めっき…E、装飾用金めっき…D)を元素記号の前に付けることが出来ます〔例4)及び例5)参照〕。 さらに、特殊な使用目的については、*2印を付け、注として付記します。 例1)Ep-Fe/Cu 20, Ni 25b, Cr 0.1r/ (電気めっき、鉄鋼素地、銅めっき20μm以上、光沢ニッケルめっき25μm以上、普通クロムめっき0.1μm以上)
例2)Zn-Ni 10
例3)Au(75)-Cu 5
例4)ICr 50
例5)E-Au 2
Cめっきの厚さを表す記号
左記の表は簡単な例です。 例)Cu 10, Ni 15 d, Cr 0.1 mp (銅めっき10μm以上、二層ニッケルめっき15μm以上、マイクロポーラスクロムめっき0.1μm以上)
Dめっきのタイプを表す記号
このほか、特殊なタイプについては、*3印をつけ、注として付記します。 例)Cu 10 b, Ni 20 t, Cr 0.5 mc (光沢銅めっき10μm以上、三層ニッケルめっき20μm以上、マイクロクラッククロムめっき0.5μm以上)
E後処理を表す記号
記号の前にスラッシュ(斜線)を引いて、区切ります。 二種類以上の後処理を行う場合には、処理操作の順又は、素地に近い順に左から右に各記号をコンマで区切って示します〔例)参照〕。 なお、処理条件を示す場合、及び左記の表以外の特殊な後処理を示す場合には、*4印を付け、注として付記します。 例)Fe*1/Zn 10/HB, CM1, PA*4 注*1めっきに先立ち素地鉄鋼はHAR(応力焼きなまし)を施すこと。 *4透明ウレタン塗装仕上げを施すこと。 (鉄鋼素地、熱処理、亜鉛めっき10μm以上、ベーキング、光沢クロメート処理、塗装)
記号の前にコロン(:)を付けて、区切ります。 また、これ以外の特殊な環境での使用に対しては、*5印を付けて、注として付記します。 例)Ep-Fe/Zn 15/CM 2:D (電気めっき、鉄鋼素地、亜鉛めっき 15μm以上、有色クロメート処理、通常の屋内での使用)
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