b)加工・熱処理

3)冷間加工

2300 冷間加工
cold working
 ひずみ硬化が生じるような温度範囲で行う金属又は合金の塑性加工。
2301 冷間圧延
cold rolling
 再結晶を生じない温度範囲で、ロール間に材料を通して板厚を圧下減少させ、所定の形状にする塑性加工。
参考 通常、冷間圧延は、粗圧延中間圧延仕上げ圧延の3工程がある。
2302 粗圧延
rough rolling
 板、条製品の製造において、最初に行う冷間圧延
参考 中間圧延)、仕上げ圧延に対比して用いる用語。
2303 中間圧延
intermediate rolling
 粗圧延仕上げ圧延の中間で行われる圧延。
2304 仕上げ圧延
finish rolling
 所定の板厚及び質別を得るための最終圧延。
2305 スキンパス
skin pass
 板、条、管、線などの表面つや出し又はひずみ矯正のために行う軽度の圧延(磨きロール、無潤滑)又は引抜き加工。
2306 調質圧延
temper rolling
 板及び条で所定の質別及び表面につやを出すために行う軽度の圧延。
2307 ロール上り
cold rolled finish
 所定の板厚、質別及び表面につやを出すため最終圧延によって仕上げられる製品。
参考 冷間圧延上りともいう。
2308 加工率
reduction ratios
 冷間圧延引抜きなどの加工によって減少した断面積の原断面積に対する割合。
参考 加工硬化質別の目安となる。
2309 加工硬化
work hardening : strain hardening
 冷間圧延引抜きなどの加工を冷間で行った場合、加工ひずみ(歪)の増大に伴って材料が硬化する現象。
参考 ひずみ硬化ともいう。
2310 加工硬化曲線
work hardening curves : strain hardening curves
 縦軸に硬さ、引張強さ伸びなどの機械的性質を、横軸に冷間加工における加工率を取り、加工率の増加に伴って加工硬化によってこれらの性質が変化する状況を示した曲線。
参考 例としてC 2680 R(黄銅条:厚さ0.7mm)の加工硬化曲線を次に示す。
2320 引抜き
drawing
 管、棒及び線の製造において、ダイスを通して断面積を減少させ、所定の形状にする塑性加工。
参考 管の場合は、通常、プラグを入れて加工する。
2321 空引き
sinking
 管の引抜き加工において、仕上げられた管を、更に管内にプラグを入れずに、ダイスだけで引き抜く塑性加工。
2322 応力除去
stress relieving
 低温焼鈍又は問題となるような寸法変化を生じない機械的な処理によって、製品の残留応力を低減させる加工。
2340 冷間鍛造
cold forging
 展伸材から切り出した加工片を常温で、繰り返しつち(鎚)打ちするか又は金型によって圧縮し成形する塑性加工。