(4)処理方法

4001
素地調整
surface preparation
塗料の付着性及び防せい効果をよくするために、機械的又は化学的に被塗装物体表面を処理し、塗装に適するような状態にすること。ケレンともいう。
4002
防せい包装
corrosion (rust) preventive packaging
金属製品のさび発生を防止するための包装。
4003
防湿包装
moisture-proof packaging
防湿包装材料で密閉して、外部から侵入する水蒸気のために生じる弊害から防ぐ包装。乾燥剤を併用して内部に残存する水蒸気、防湿剤を透過してくる水蒸気を吸収させたり、減圧して内部の水蒸気を空気とともに除去したりすることもある。
4004
電気めっき
electroplating
めっき浴中で電気分解によって、表面に金属を析出させる表面処理方法。
4005
化学めっき
chemical plating,

electroless plating

金属塩水溶液にめっきしようとするものを浸して、外部電源を用いずに還元剤の作用によってめっきする表面処理方法。無電解めっきともいう。
4006
溶融めっき
hot dipping
めっきしようとする物を溶融した金属の中に浸して、表面に金属被膜を作る表面処理法法。
4007
拡散浸透法
diffusion coating,

cementation

高温で金属体表面から内部へ拡散現象によって元素をしみ込ませ表面を改質する方法。
4008
陽極酸化法
anodic oxidation coating,

anodizing

金属をアノードとし、電解質水溶液の電気分解によって表面に酸化物被膜を生成させる表面処理方法。
4009
化成処理
chemical conversion coating
化学的処理によって金属表面に安定な化合物を生成させる表面処理方法。りん酸塩処理・黒染め処理・クロメート処理などがある。
4010
りん酸塩処理
phosphating
りん酸及び可溶性りん酸塩を主体とする水溶液で金属を処理し、その表面に不溶性のりん酸塩皮膜を作る表面処理法法。
4011
クロメート処理
chromating
クロム酸又は二クロム酸塩を主成分とする溶液で金属を処理して防せい皮膜を作る表面処理方法。
4012
金属溶射
metal spraying
ガス、アーク、プラズマなどによって金属を加熱溶融させ、これを高速で金属の表面に吹き付けて皮膜を作る表面処理法法。
4013
クラッド
cladding
二種類以上の金属をはり合わせること。
4014
ライニング
lining
金属の表面を飽食するため、その表面に、他の複合材料を比較的厚く被覆すること。金属・無機物質などを溶射、焼き付け、はり合わせなどで被覆する無機質ライニングと、有機物質を流動浸せき、溶射、塗布、はり合わせなどで被覆する有機質ライニングとがある。
4015
セラミックコーティング
ceramic coating
酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、けい酸ジルコニウム、酸化クロムなどを溶融噴射などの方法によって、金属表面にセラミックの被覆をする表面処理。
4016
電気防食
cathodic protection
流電陽極又は外部電源を用いて金属体をカソードとして通電し、腐食を防止すること。カソード防食ともいう。特殊な場合として、防食する金属体をアノードとするアノード防食(anodic protection)もある。
4017
外部電源方式
impressed current system
外部電源によって陽極材料から防食電流を被防食金属に供給するカソード防食法。

 陽極を地下数十m深く埋設して地下埋設構造物に防食電流を供給する方法を深埋め陽極工法(deep groundbed system)という。

4018
流電陽極方式
galvanic anode system
被防食金属に、これより卑な金属を接続して防食電流を供給するカソード防食法。
4019
排流法
electric drainage
迷走電流が流入している金属構造物から瞑そう電流を排流して腐食を防止する防食法。
4020
石灰質析出物
calcareous deposit
海水や硬水から金属表面に析出した、主として炭酸カルシウム及び水酸化マグネシウムからなる析出物。カソード防食法を適用することによるカソード表面上の析出沈積物。電解被覆ともいう。