防せい防食用語 (3)材料

301 腐食抑制剤【ふしょくよくせいざい】

金属のさび又は腐食を抑制する性質をもった薬剤の総称。

302 酸洗い抑制剤【さんあらいよくせいざい】

酸洗いをして金属面のさび層やスケールを除去するとき、酸による素地の溶解を抑制するために酸洗い浴中に添加する物質。
酸洗い抑制剤を添加すると素地の溶解が抑制され、はだ荒れやピットが生じにくくなり、水素の発生量が減る。

303 さび止め油【さびどめゆ】

腐食抑制剤を、主として石油系基剤に添加したもので、金属の大気腐食の一時的防止を主目的として用いるもの。
JIS Z 0303(さび止め包装方法通則)参照。

304 溶剤希釈形さび止め油【ようざいきしゃくがたさびどめゆ】

腐食抑制剤を含む不揮発成分を有機溶剤に溶解又は分散させたもので、金属表面に塗りつけた後、溶剤が揮発してさび止め被膜を形成する。硬質膜・軟質膜・水置換性軟質膜等の種類がある。

305 さび止めペトロラタム【さびどめぺとろらたむ】

常温で固状又は半固状のペトロラタムなどを基剤とするさび止め剤で、塗膜の性質によって硬質膜・中質膜・軟質膜等の種類がある。

306 さび止め潤滑油【さびどめじゅんかつゆ】

石油の潤滑油留分を基剤とする油状のさび止め油で、用途と粘度により、一般用・内燃機関用等の種類がある。

307 指紋除去形さび止め油【しもんじょきょがたさびどめゆ】

金属表面に付着している指紋を除去する能力を持つさび止め油。

308 さび止めグリース【さびどめぐりーす】

腐食抑制剤を添加した潤滑グリース。

309 気化性さび止め剤【きかせいさびどめ剤】

常温で気化性の金属の腐食抑制剤。固体・液体の区別はない。

310 気化性さび止め紙【きかせいさびどめし】

気化性さび止め剤を塗布又は含浸した包装紙。

311 気化性さび止め油【きかせいさびどめゆ】

気化性さび止め剤を含むさび止め油。

312 可はく性プラスチック【かはくせいぷらすちっく】

さび止め又は機械的損傷防止のために、製品の表面に被膜を形成させ、必要に応じて簡単にはぎ取ることができるプラスチック。これには熱間浸せき形と塗装形などがある。

313 ディップワックス【 】

金属製品を、そのまま又は紙箱に入れてワックス紙布系統のさび止め用耐油性バリヤー材で包み、加熱溶解した高軟化点ワックス中に浸して被膜を作るような防湿包装に使用する高軟化点ワックス。

314 防湿バリヤー材【ぼうしつばりやーざい】

防湿包装に使用する透湿度の低い包装材料。プラスチックフィルム・プラスチック加工紙・ターポリン紙・金属はく加工紙・パラフィン紙などがある。

315 防水バリヤー材【防水バリヤー材】

防水包装に使用する包装材料で、一般には比較的湿気の透過は大きいが、水は透過しにくいような材料。しわ付き防水紙・ワックス加工紙・アスファルト加工紙などがある。

316 耐油性バリヤー材【たいゆせいばりやーざい】

さび止め油を塗布した金属製品の上包みに使用する柔軟で腐食性のない耐油性の包装材料。一般にポリエチレン加工紙、各種のプラスチックフィルムなどが使用されるが、特殊な用途に限って粘着性のワックス紙布や油紙が使用されることもある。

317 乾燥剤【かんそうざい】

さび止めの目的で、包装内部の湿度を低下させるために使用する薬剤。一般にはシリカゲル・活性アルミナなどが用いられる。

318 湿度指示剤【しつどしじざい】

防湿包装内の湿度の多少を変色によって検知する塩化コバルトなどの薬剤。カードに塗布し、又は乾燥剤に含浸して用いる。

319 プライマー【 】

塗料を塗り重ねて塗膜層を作るとき、一般に耐食性と付着性とを増すために用いる最初に素地に塗る塗料。

320 エッチングプライマー【 】

素地の化成処理を兼ねた主にりん酸・クロム酸を含むプライマー。成分の一部が素地の金属と反応して化学的生成物を作り、素地に対する塗膜の付着性を増すようにした金属素地処理用の塗料。

321 さび止め顔料【さびどめがんりょう】

金属に錆が発生するのを防止する機能を持つ塗料用顔料。

322 さび止めペイント【さびどめぺいんと】

鉄鋼のさび止め塗装に用いる塗り塗料。さび止め顔料と塗膜形成要素との相互作用で、さび止め効果を現すものと、塗膜形成要素自体のさび止め効果によるものとがある。

323 表面処理鋼板【ひょうめんしょりこうはん】

表面に金属又は非金属被覆を施した鋼板。

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