酸アルカリ系排水
【様々な化学薬品の使用目的】
密着性がよいめっき皮膜を得るためには、各めっき処理をする前に、脱脂、脱錆、電解活性、浸漬活性などにより、金属表面を清浄にしなくてはなりません。これを前処理といいます。
また、各表面処理に使用する浴中には、めっき金属イオン供給塩、電導塩、
緩衝剤、光沢剤など様々な薬品が添加されています。
更に、めっきの後にも被膜生成剤、被膜安定剤、撥水剤などを使用しめっき面の保護などをします。これを後処理といいます。
各工程で使用する主な化学薬品は以下の通りです。
- 脱脂工程
苛性ソーダ、炭酸ソーダ、燐酸ソーダ等アルカリ性の薬品を使用し、金属表面の油分を鹸化作用によって脱脂します。
- 脱錆工程(酸浸せき)
金属表面の錆を塩酸等によって溶解し除去します。
- 酸洗い工程
塩酸、硫酸、硝酸およびそれらの混酸で金属表面を研磨溶解します。
- 電解洗浄工程
脱脂液と同様の液中で陰極陽極処理によって脱脂活性します。
- 活性化工程
めっき液の性状にあわせ酸または混酸・アルカリでめっきのつきやすいように金属表面を活性化します。
- めっき・アルマイト工程
酸・アルカリ(硫酸、炭酸ニッケル等)、金属イオン補給塩(塩化ニッケル、硫酸ニッケル、硫酸銅等)、導電塩、
緩衝剤(ホウ酸等)、光沢剤などにより調合された液によってめっきをします。
- 後処理工程
めっき表面の変色防止・皮膜安定化・乾燥を良くするための撥水剤などを使います。
【酸アルカリ系排水の発生理由】
各々の工程で金属素材を目的に従った溶液に浸漬した後、次工程に薬品を持ち込まないようにするために、十分な水洗を必要とします。
これを水洗工程といいます。
その際、様々な化学薬品や金属イオンを含んだ水洗水が発生し、水洗槽が濃くなるに従ってこれを廃棄します。